流鏑馬まつりについて

流鏑馬の見どころは射手と馬だけではありません

 流鏑馬といえば、射手が馬に乗って、馬が走るなか射手が的をめがけて射るというところまでは、皆さんご存じだと思います。注目されるのはこの射手と馬ですが、これ以外にも数多くの役割の方が連携して初めて「まつり」が成り立っています。

 その方々は、射手が走る前に射手と共に観客の皆さんの前を練り歩き、お披露目があります。このあたりの詳しいお話は、当日解説もあると思いますのでその時にお聞きいただければと思います。が、解説にはあまり聞きなれない言葉も出てきますので、少しだけご紹介させていただきます。
 今回はよく見かける流鏑馬祭りの役割分担を示しています。ただ、この会場図では的が2つしかありません、通常は3マトあります。美多彌神社の流鏑馬まつりは、会場の関係で馬の走る距離が取れず、2マトで行われますので、そこだけ変更しています。

 


 

 馬と射手以外にも、いろいろな役割を持った方が配置されているのがわかると思います。この方々それぞれが、流鏑馬の安全な運用や進行に関わっています。実際にはここに表記している以外にも多くの方が安全な運用のために陰で動いてくださっています。射手以外にも興味を持っていただけたら、より流鏑馬を楽しくご覧いただけると思います。

 以下には各数字の役割の名前と、役割の内容について簡単に解説しています。ここの役割や名称、また装束などは流鏑馬祭りの歴史が現れる部分で、各所で違っている可能性があります。このあたりを細かく解説した資料は少ないので、興味のある方は現地に赴き、解説を直接お聞きになることをお勧めします。

 


 

① 総奉行(そうぶぎょう)
 流鏑馬まつり全体の代表。開始時に、日記役に下知を行うように告げる。

② 日記役(にっきやく)
 射手に流鏑馬開始の下知を下す+日記を付ける。(的中記録)

③ 覧筥(らんばこ)
 日記・筆記用具の入った覧筥を持つ。 

④ 幣振(へいふり)
 采からの的中合図に応じる(采が上がったら幣を左右に振り、了解の合図を送る)

⑤ 馬場元役(ばばもとやく)
 スタート地点で馬場の安全確認の合図をする。

⑥ 馬場末役(ばばすえやく)
 ゴール地点で馬場の安全確認の合図をする。

⑦ 童子(どうじ)
 射手の介添。道具(笠・弓・鍛)を持ったりする。

⑧ 弓袋差(ゆふくろざし)
 射手(主人)の鎧の仮着用とスペアの弓を持つ。

⑨ 的奉行(まとぶぎょう)
 的における責任者。的中の審判を采場に知らせる。

⑩ 采揚(さいあげ)
 的奉行の審判が的中の場合は采を上げて日記に当たったことを伝える。

⑪ 矢取(やとり)
 放たれた矢の回収を行う。

⑫ 的持(まともち)
 的の設置を行い、割れた的の回収を行う。

 

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